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パーカーによる2011年ボルドー・プリムールの評価 Parker on Bordeaux 2011 En Primeur


Parker on Bordeaux 2011 En Primeur
パーカーによる2011年ボルドー・プリムールの評価

ロバート・パーカーは、自身のウェブサイト上にあるマークス・スクワイアズ・フォーラムに、2011年ボルドー・プリムール試飲の第一印象を記しました。
今後も、パーカーによるヴィンテージ評価が追加され、トップクラスの点数を受けた銘柄が発表された時点で、このページを更新していく予定です。

……パリについてすぐは、春というよりは夏のような天気だった。……2011年の試飲に没頭していた十日間は、思っていたより楽しかった。珍しいほど平凡な夏だったにも関わらず、ワインはよく熟していて、色も深く、とても香り高い。総じて言えば雑味がなく、中程度のボディで、2009年、2010年という二つの偉大なヴィンテージよりも酸味の強い仕上がりになっている。

乗り切るのに骨が折れた、ややこしいヴィンテージだった……天候は異例だったものの、うまくやった人間は立派に報われた。品質が最も安定して高いように思われるのはポムロールであり、サンテミリオンがそれに続く。メドック地区の有名な村名AOCも成功した。一番品質にバラ ツキが出たのは、おそらくグラーヴ地区だろう。サン・テステーフには9月1日に雹が降り、例年より軽い仕上がりになった。

プティ・シャトーについては、素晴らしく成功したとこもあれば、残念な結果になったところもある。とはいえ全体として見れば、美味しくてお値ごろのボルドーが、この地方から多数出てきたことに、私は興奮を覚えている。

これから、大量のコメントを見直した上で要約せねばならないのだが、このヴィンテージは全体的な品質で言うなら、2008年と2001年の両方に近いかもしれないと考えている。
……生産量は少なめで……値付けが大きな問題となる……価格が大幅に切り下げられれば、先物市場はそこそこ活況を呈するだろうが、消費者や流通が望んでいるよりも、値下げ幅がうんと小さいのではないかと危ぶんでもいる……。ボルドーは今も呆れるほどのバブル景気のさなかにある。だが2010年ヴィンテージについては、卓越した品質にも関わらず、いまだに流通経路の途中で塩漬けになっているのだ。
……2011年の値付けは慎重を期すべしというメッセージだろう……シャトーには、すでに2009年の在庫がほとんど、あるいはまったくないようなのだが、本当にそうなのかは確認のしようがない……。いずれにせよ結論として言えるのは、予想していたよりも優れたヴィンテージだということである……