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ジャスパー・モリス ブルゴーニュ2013年ヴィンテージ・レポート Burgundy 2013 Vintage Report

Burgundy 2013 Vintage Report by Jasper Morris MW
マスター・オブ・ワイン ジャスパー・モリスによる
ヴィンテージ・レポート

ブドウの生育状態

近年の傾向が続いています。乱れた生育期により、卓越したワインも含め、少ない収穫量となっています。ただすべての場所で成功したとは言えなくとも、全体的にそれを埋め合わせるだけの良いワインが生産されています。一部腐敗も見られましたが、大多数はこの難しいシーズンの中、予想を超える素晴らしい味わいとなっています。
コート・ドゥ・ボーヌはこの年も開花が少なく、収量が通常よりも低くなりました。白は収穫が遅すぎない限り、かなり期待ができます。ワインは真の個性と共に肉厚さと酸をもち合せています。赤は収穫が早すぎない限り、熟した果実の美しいアロマに加え、アロマよりは熟度が控えめながら、味わいに活力を与える構造があります。

ヴィンテージ

特徴的な出来事は、全く恵まれなかった春で、遅い開花は数も少なく、その傾向は時に古樹に顕著でした。また7月23日の雹を伴う嵐がコート・ドゥ・ボーヌに吹きつけ、特にコルトン・シャルルマーニュ、サヴィニー、ボーヌ、ポマール、ヴォルネイ、ムルソーに影響を与えました。
8月は暑すぎない程度に乾燥し、晴れた日が多く、9月の天候は多様でした。熟成の進行と腐敗との戦いで、収穫が早いところでは、白では9月26日(木)に始まり、10月4日、5日に強い嵐が吹くまで、良い状況で収穫は行われました。赤の収穫が大部分で終了した後、気温は大幅に下がりました。収穫の遅かった白程は、嵐による影響は見られず、より長く収穫を待つことが有益となっています。

白ワイン

収穫日が極めて重要です。10月5日の激しい雷雨後、ブドウは変容し、腐敗が進み、腐敗のなかった房までが触れた途端にこぼれ落ちました。良い時期に収穫したところは、素晴らしい品質で、良い果実の特徴や酸をもち合せています。2011年よりも個性があり、2010年、2012年よりもバランスに長けています。とりわけシャブリの収穫量は低いですが、収穫時期が良いものは最高の味わいを楽しむ事ができます。

赤ワイン

多くのワインは良い色調と極めて魅力的なブーケがあり、熟した果実のアロマを感じさせます。鍵となる品質の差は、味わいに表れています。強すぎる酸や雹による粗いタンニンがあるものは、セレクションから除きました。大多数のワイン、特にコート・ドゥ・ニュイでは、美しい調和のとれた果実の味わいが、将来発展していくブーケと調和をなしています。
赤ワインは、完熟を待つことが大切でしたが、腐敗の問題もありました。しかし10月4日―5日の週末後も白より、良い状態を保つことができました。多くの栽培者が語ったように、糖度が低いのに関わらず、(種が茶色になるような)生理学的な熟成は良く進んでいました。
ワインはプルミエやグラン・クリュの品質はさらに高く、新鮮なスタイルのヴィンテージです。アルコールは低めなので、個々のテロワールがとても良く表現されています。

Key Points

  • コート・ドゥ・ボーヌは極わずかな収穫量
  • コート・ドゥ・ニュイの収穫量は少量
  • ほぼすべてのケースが2012年よりも低い価格
  • 個性豊かなバランスの良い白
  • 美しいアロマとテロワールを強く感じる赤

Jasper Morris MW
Burgundy Director