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世界が注目する 『イングリッシュ・スパークリングワイン』 2019年9月13日

世界が注目する 『イングリッシュ・スパークリングワイン』

新たなワイン産地として、現在最も熱い注目を浴びる産地の一つ、英国。

英国でワインを造っていること自体、まだあまり知られていませんが、国際的な品評会でも常連となるような実力を持ったワイナリーが現れ、ブラインド・テイスティングでも名だたるシャンパーニュを破るワインが出てきたことで、とみに注目が集まっています。

シャンパーニュを超えた

口火を切ったのは、Jancis Robinson MW、Neal Martin、Jamie Goodeをはじめとする批評家と、ロンドンのトップソムリエ陣を集めて2015年に行われた、Noble Rot誌主催のシャンパーニュ vs スパークリングワインのブラインド・テイスティングでしょう。ポル・ロジェ、ヴーヴ・クリコ、テタンジェ、シャルトーニュ・タイエなどを抑えて一位になったのは、イングリッシュ・スパークリングワインの「Hambledon Classic Cuvée/ハンブルドン クラシック・キュヴェ」でした。
(記事:https://noblerot.co.uk/wp-content/uploads/2015/10/NR09_awards-HR.compressed.pdf

気候の変化が追い風

これまでは生産量も少なく、国内消費が中心でしたが、現在の英国南部の気候は「40年前のシャンパーニュの気候とほぼ同じ」と言われるほどの温暖化・気候変化が、ブドウに適した栽培環境をもたらし、ワイン造りの追い風となっています。とはいえ、産地として冷涼な英国では、ワイン生産量のうち約70%を占めるのはスパークリングワイン。ドーバー海峡を挟み、シャンパーニュと地続きの英国南部はシャンパーニュと同じ石灰質土壌をもつことも、優れた品質の一因といいます。このような土地に備わった高いポテンシャルと、温暖化によるワイン生産地の北上を踏まえ、テタンジェなどのシャンパーニュの大手メゾンも参入に乗り出すなど、世界から投資が集まっています。

ネクスト "NZソーヴィニヨン・ブラン"

「イングリッシュ・スパークリングワインは、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン以来の、一大新ジャンルになるのでは」とは、ベリー・ブラザーズ&ラッドのワイン・ディレクターであり、マスター・オブ・ワインのマーク・パードーMWのコメントですが、英国ワインの将来が楽観視されていることは間違いないでしょう。

ベリー・ブラザーズ&ラッドのUK本社では、2013年に年間3,000-5,000本だったイングリッシュ・スパークリングワインの取扱量が、昨年は35,000-40,000 本程と、過去5年間で約10倍にも成長しました。価格上昇が著しいシャンパーニュに対し、中価格帯を維持するイングリッシュ・スパークリングは、長くシャンパーニュの輸入量(本数)第一位で有り続けてきたシャンパーニュ好きな英国国民から重宝され、その立ち位置を確立しつつあります。ものづくりにこだわりと愛を持ち、ワインを飲み慣れたイギリス人が手がけるスパークリングワインの品質の高さが、そうさせるといえるでしょう。

また、ロンドンからも電車や車で、週末に気軽にワイナリーを訪れることができるため、イギリス人にとっても一気にワインツーリズムが身近なものになりました。ロンドンを訪れた際は、是非足を伸ばしてみてください。

NZソーヴィニヨン・ブラン

日本で手に入るイングリッシュ・スパークリングワイン

ベリー・ブラザーズ&ラッド日本支店でも、現在2つのワイナリーを扱っています。

一つは、先にも名の上がった『Hambledon/ハンブルドン』。WSETの授業を受けたことのある方なら『1950年代前半に、英国で最初の商業規模で開発された畑』として聞いたことがあるでしょう。クリケット発祥の地として有名なハンブルドン村(ハンプシャー)にあるだけでなく、英国のワイン史の上でも重要なワイナリーを1999年に買い取ったのが、英国人のイアン・ケレット氏。経済と化学を専門とし、醸造とテイスティング、地質学をも学んだ彼は、「英国のワインはいずれ頂点を取る」と確信している人物です。醸造には当初から、かのエルヴェ・ジェスタンが関わっています。

キュヴェは3つ、Classic CuvéeとRosé、トップキュヴェのPremière Cuvée(写真上)。Classic CuvéeはNoble Rot誌の記事で一躍有名になりましたが、手頃な価格とは裏腹に、ビスキュイがふわりと香り、緻密でキレのよい酸が魅力のシリアスに造られた一本。Roséはロンドンで開催されるInternational Wine ChallengeでGoldを受賞するなど高い評価を得ており、6月にトランプ大統領が訪英した際にバッキンガム宮殿で提供されたこともニュースになりました。ケレット氏が、「最上のスパークリングワイン」を標榜して造るPremière Cuvéeは、贅の粋を極めたワイン。酸、重み、余韻、どれをとっても素晴らしく、長期熟成が期待できるリッチなつくりです。

『Gusbourne Estate/ガズボーン・エステイト』は、ケント州にあり、南アフリカ人の医者であり、南アでワイナリーを共同経営していたこともあるAndrew Weaver氏が2004年に立ち上げました。ブドウにはブルゴーニュのクローンのみを使用、ワインは全てNVではなくヴィンテージでリリースしています。2013年から5年の間に、IWSCで3回もEnglish Wine Producer of the Yearを受賞するなど、名実共に英国のワインシーンを牽引するワイナリーといえるでしょう。ワイナリーのフラッグシップであるブラン・ド・ブラン(写真下)は、英国でも最も受賞数の多いワインの一つで、密度の高さと余韻の長さ、完成度の高さは傑出しています。昨年、ブリティッシュ・エアウェイズのファーストクラスでも採用されました。ピノ、ムニエもブレンドしたReserveと、2013年はピノ100%のRoséも、厚みのある上質なスパークリングです。

今後、人気が高まるにつれ普及するであろうイングリッシュ・スパークリング。
爽やかで伸びる酸が特徴の泡を、是非、お試しください。

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